かの書房がゆく!

札幌市豊平区に2019年3月18日(月)オープンの新刊書店「かの書房」です。本屋さんからのお知らせなどを書いていきます。

こんがらがったので整理がてら

お客さんが来ない…!という現実にそんな日もあるさと思いつつ、とりあえず今頭の中でごちゃごちゃ絡まっているものを書いてみます。

 

〇経歴〇

お会いするメディアの関係者さんやライターさんに「面白い経歴だよね」と言われます。

・高校→熱気球部部長 熱気球操縦士免許取得

・大学→学生自治会の会計・ボランティアサークルを立ち上げNHKの取材を受ける。

大学図書館で短期の書架整理のアルバイト4年間

・卒業後→あっちこっちふらふら。4年前に書店員デビュー。

そして現在本屋さん。

 

…そんなに異色な経歴だろうか?という疑問も持ちつつ「行動力やばい」と同級生に言われてそれは確かにィ!と思う今日この頃です。

熱気球の操縦士は確かに異色かもしれない…

 

〇5/4の講演会について〇

講演会を聞きに来てくれた方がご来店くださったり、企画・運営のねっこアフターの皆さん、大人の方々が時折ご来店下さいます。

とある方に「講演会を聞いていたら自分が小さいころ行っていた本屋さんを思い出した、という人がすごく多い」というお話を聞きました。

普段、生活に必要ないことは思い出さない、という人も講演会でふっと昔を思い出したんだって、と。

何か独特の雰囲気があるそう。

「独特の雰囲気」とあわせて「ポーカーフェイス」と「童顔」もよく言われるワードです。

 

もっと講演会をやっていろんな人にお話聞いてもらったらいいよ!もったいない!なんて言って下さる方もいました。

講演会のお話が舞い込んでくるといいですねえ、なんて返答しましたが、果たして需要はあるのか|д゚)チラッ

 

〇選書について〇

最近、司書さんがよくご来店されます。

皆さん棚をじっっっくり眺めて、これぞ!と言うものをお持ちになってレジに。

「素敵な選書ですね。今度司書仲間と来ます」と言って下さいます。

素直にありがとうございます!

最初の頃よりは有名な作家さんを混ぜているつもりですが、見たことない作家さんばっかり、と言われるのは並べ方の問題なのでしょうか。

 

いわた書店さんの「一万円選書」には到底適いませんが、選書のサービスもやってみようかな、と思う今日この頃。

でも私はどうやってお客さんと話しながら選書しているんだろう…?と最近考えるようになりました。

 

〇北海道作家と推しの作家〇

まだ開店して2カ月ですが、売れ筋と言えるタイトルが出てきました。

塀の中の美容室」桜井美奈 双葉社

桜井先生の作品はやさしい文体で、丁寧に登場人物の気持ちや表情を描かれています。広い年齢層で好まれる作品だよなあ、もっと知られてもいいのに…!という気持ちから「推し作家」に。

そしてこの作品、表紙はきれいな女性が自らの髪を切っている絵ですが、中身はきれいな絵から受ける印象とは違うのです。

「一般人も通える刑務所の中の美容室」が舞台です。様々な環境の人が来て、気分転換に髪を切って…かなり大まかに言うとそういう作品ですが、ここで「刑務所の中の美容室」という舞台が活きてきます…というようなことをセールストークにしていたところ、ぱらぱらとご購入される方が。

しかも年齢・性別幅広い。

ということで、学生さんも読みやすいだろうと5/4の講演会で販売しました。

現地で余ったものを店用に…と思ったら余らず売り切れ。

店にあったものも残り一冊になっていたので追加をかけ、明日入荷する~!とホッとした翌日、入荷してもばばっと売れ、残り一冊。

次回の追加が入ることが確定したらPOPを作ろうと思っている一作です。

 

「眠りの森クリニックへようこそ~「おやすみ」と「おはよう」の間~」 田丸久深 幻冬舎

田丸先生は北海道・十勝のご出身。それだけで応援する気満々ですが、こちらの作品は舞台となるのが札幌です。当店に来られた方が興味を惹かれること間違いなしの一作。

前作「YOSAKOIソーラン娘」は働いて家に帰る規則正しい生活をしているOLがYOSAKOIソーラン祭りに参加することで華やかに活発に変わっていく様子を書いていましたが、今回の「眠りの森」は平坦な毎日を過ごしながら眠りを妨げる原因は何だろうね?と柔らかく、根深い問題を問う作品です(ちなみに私は直ちゃんのクリニックに通いたいです)。

重すぎず、かといって軽すぎない文章の中になじみのある街並みの描写が出てきて思わず「あそこかな?」と考えてしまう作品。一晩で読んだ!という方、続出中です。

 

「霧原骨董店」松田詩依 アルファポリス文庫

弁当屋のおもてなし」シリーズ 喜多みどり 角川文庫

「手掛かりは一皿の中に」 八木圭一 集英社

百姓貴族」シリーズ 荒川弘 新書館

このあたりも何度か品切れ→入荷を繰り返しています。

そしてお分かりの方もいらっしゃるかと思いますが…桜井先生は推しの作家さん、後の方は道内作家さんです。

同じく道内作家さんでは、ここ数日で南野雪花先生と梶本レイカ先生作品も動きが出てきています。

やっぱり興味湧きますよね!やった!とニヤニヤしながら棚をいじっています。

 

〇一喜一憂いそがしい書店員〇

明日は「フラジャイル14巻」が入荷予定です。

岸先生の悪人顔に惚れて読んでいたのですが、5巻あたりからピタッと買うのを忘れてしまい、かの書房をはじめてからちまちまと買って読んでいます。

先日13巻を読み終え、入荷表(2・3日先の入荷がわかる一覧)を印刷してはフラジャイルまだか…!と呻いていましたが、本日印刷して明日の入荷欄に見つけました!

「フラジャイルキタ━(゚∀゚)━!」と喜び、入荷数1冊に落ち込み、追加発注をかけていたはずだ…!と自らを鼓舞しています…

欲しい本こそ冊数が少ないのが書店員の悩みです。

自分も欲しいけど、もし欲しいと言う方がいたら…!そう思ってしばらく生殺しを味わうのです。

 

ああ~早く14巻読みたいよー!